一人の女性が紡いだ福祉の輪 ~丹波篠山「みずほの家」研修報告~
兵庫県丹波篠山市の障がい者福祉施設「みずほの家」を訪問しました。今年設立10周年を迎えた同法人の原点には、15年前に24歳で亡くなった山中瑞穂さんという女性がいます。
重い障がいと家族の愛
瑞穂さんは生後40日でヘルペス脳炎を発症し、重度の脳性まひに。24時間介護が必要となり、母の泰子さんは心身ともに限界を迎えました。「一緒に楽になろうと思ったこともありました」と当時を振り返ります。父の信彦さんは全日空を退職し、娘と向き合う決意を固めました。2人の兄も幼いながら妹を支えました。
学校が開いた新しい世界
瑞穂さんは母子通学で篠山養護学校に入学。運動会では同級生の女の子がおんぶして一緒に走ってくれました。家族以外の人たちとの触れ合いが、瑞穂さんの世界を広げていきました。
講演活動で伝えた思い
信彦さんは瑞穂さんと全国各地で講演活動を展開。ある会場で参加者の男性が瑞穂さんの手にお金を握らせ、「瑞穂ちゃんに感動した。これは講師料や」と言ったエピソードが印象的です。
新たな出発
2009年、瑞穂さんは24歳で天に召されました。両親は2015年に「みずほの家」を設立。重度の障がい者を優先的に受け入れる施設として、現在70人のスタッフ、県内20市町から利用者を受け入れるまでに成長しました。長男の信人さん(代表理事)は「妹にもっとお兄ちゃんらしいことをしてあげたかった。今、いろんな人のお兄ちゃんになれるよう頑張っている」と語ります。
愛は続く
信彦さんは「瑞穂の夢は見ない。一生懸命育て、後悔がないから。寂しくはないが、ずっと愛おしい」と話します。瑞穂さんが好きだった音楽をテーマにした「兵庫・丹波篠山国際とっておきの音楽祭」も全国規模のイベントに発展しました。
学んだこと
一人の女性が家族を変え、地域を変えた物語から、誰一人取り残さない社会の大切さを改めて実感しました。この学びを今後の政策に活かしてまいります。