兵庫県議会公明党議員団 管外調査報告④ 伝統を守るために挑戦し続ける ― まるや八丁味噌に学ぶブランド戦略
兵庫県議会公明党議員団の管外調査では、愛知県岡崎市の「まるや八丁味噌」を訪問し、
伝統産業のブランド化について学びました。
当日は、浅井信太郎社長から直接ご説明をいただき、八丁味噌の歴史や製造工程、
そして伝統を未来へつなぐための経営理念についてお話を伺いました。
八丁味噌は、岡崎城から西へ八丁(約870メートル)の場所で造られていたことが名前の由来とされています。
原料は大豆と塩のみ。木桶で仕込み、長期間熟成させる伝統製法を守り続けています。
視察では実際の味噌蔵を見学しました。蔵の中に並ぶ巨大な木桶は圧巻の光景でした。
その上には、円すい状に高く積み上げられた置石が載せられています。
一見すると単純に石を積んでいるように見えますが、実際にはそうではありません。
石の大きさや形、重さを見極めながら絶妙なバランスで積み上げる必要があり、
その技術は長年受け継がれてきた職人の経験によって支えられています。
機械化が進む現代においても、人の手と知恵によって守られている工程があることに深い感銘を受けました。
一方で、まるや八丁味噌は伝統を守るだけではありません。
視察で紹介いただいたのが、新商品である「味噌パウダー」です。
味噌のうま味や風味を手軽に楽しめるよう開発された商品で、肉料理やパスタ、天ぷらなど
幅広い料理に活用できるほか、なんとアイスクリームのトッピングとしても提案されています。

実際に試食させていただきましたが、味噌の豊かなコクとうま味がアイスクリームの甘さを引き立て、
これまでにない味わいを生み出していました。
「味噌は和食に使うもの」という固定観念を超え、若い世代や海外の方にも親しみやすい形で発信する工夫に、
伝統産業の新たな可能性を感じました。
その中で、浅井社長から伺った
「伝統を守るためには攻め続けること」という言葉が強く印象に残っています。
伝統産業というと、「変わらないこと」に価値があるように思われがちです。
しかし、伝統を未来へ継承するためには、本質を守りながらも新たな市場を開拓し、
新しい価値を創造し続けることが欠かせません。
まるや八丁味噌では、海外展開や有機認証への対応、新商品の開発など、常に時代の変化を見据えた
挑戦を続けてこられました。
その積み重ねが、八丁味噌というブランドを全国、そして世界へ発信する力になっています。
兵庫県にも、日本酒、播州織、丹波焼、豊岡鞄、淡路瓦など、全国に誇る伝統産業があります。
しかし、人口減少や後継者不足、消費者ニーズの変化など、多くの課題に直面しています。

今回の視察を通じて、伝統を守ることと挑戦することは決して相反するものではなく、
むしろ両立させることで新たな価値が生まれることを学びました。
長い歴史の中で培われた技術や文化を次世代へ継承しながら、新たな需要や販路を切り拓いていく。
その姿勢こそが地域ブランドの価値を高め、産業の持続的な発展につながるのだと実感しました。
今回学んだ「守るために挑戦する」という視点を、兵庫県の伝統産業振興や地域活性化の
取り組みに生かせるよう、今後の議会活動や政策提言につなげてまいります。