兵庫県議会公明党議員団 管外調査報告⑥ テクノロジーと地域コミュニティで支える高齢者の自立支援
藤田医科大学「ロボティクススマートホーム」と豊明モデルを視察
兵庫県議会公明党議員団の管外調査6か所目として、愛知県豊明市にある藤田医科大学を訪問し、「ロボティクススマートホーム(RSH)」と、高齢者の自立支援を地域全体で支える「豊明モデル」について学びました。
日本では急速な高齢化が進み、介護人材不足も大きな課題となっています。こうした中、高齢者が住み慣れた地域でできる限り自立した生活を続けるためには、医療や介護だけでなく、テクノロジーを活用した新たな支援の仕組みづくりが求められています。
今回視察したロボティクススマートホームは、実際の住宅環境を再現した施設で、生活支援ロボットや見守り機器、移乗支援機器などを活用しながら、高齢者や障がいのある方が自宅で安心して暮らし続けるための研究・実証が行われています。

施設内では、ベッドから車椅子への移乗を支援するロボットや、利用者の生活をサポートするさまざまな機器を見学しました。介護する側の負担軽減だけでなく、利用者自身ができることを増やし、自立した生活を支えることを目的としている点が大変印象的でした。
また、コミュニケーションロボットの活用も紹介いただきました。高齢者の見守りや会話支援、認知機能の維持などへの活用が期待されており、テクノロジーが人に寄り添う時代の到来を実感しました。

藤田医科大学では、大学病院だけでなく地域包括ケア拠点や研究機関などが連携し、約1,000人規模の専門職がリハビリテーションを支える体制が構築されています。急性期から回復期、在宅、地域生活までを切れ目なく支える仕組みづくりが進められており、全国的にも先進的な取組として注目されています。
しかし、今回の視察で最も印象に残ったのは、先端技術そのものではありませんでした。
豊明モデルの特徴は、「テクノロジー」と「地域コミュニティ」を融合させている点にあります。
どれほど優れたロボットやAIが開発されても、人と人とのつながりを置き換えることはできません。一方で、地域の支え合いだけでは、今後さらに進む高齢化や介護需要の増加に対応することも難しくなります。

そこで豊明市では、大学、医療機関、自治体、企業、地域住民が連携しながら、高齢者を地域全体で支える仕組みづくりを進めています。健康相談や介護予防、生活支援、見守りなどを地域ぐるみで行い、その中で必要に応じて先端技術を活用するという考え方です。
これは、私が日頃から取り組んでいる介護予防や高齢者の外出機会確保の課題にも通じるものがあります。
高齢者が元気なうちから外出し、人と交流し、社会参加を続けることは、フレイル予防や認知症予防、健康寿命の延伸につながります。そのためには、地域の支え合いに加え、移動支援や見守り支援などのテクノロジーを上手に活用していく視点が重要です。
私自身、先日、シニアカーの視察も行いましたが、移動手段の確保は高齢者の自立支援に直結する重要な課題です。今回の視察を通じて、ロボット技術やデジタル技術は、人に代わるものではなく、人の可能性を広げるために活用されるべきものであることを改めて感じました。
兵庫県でも高齢化が進む中、健康寿命の延伸や介護予防、地域共生社会の実現に向けて、医療・介護・福祉の連携に加え、テクノロジーの力を活用した新たな取組が求められています。
「人が中心で、技術が支える。」
今回学んだ豊明モデルは、これからの地域包括ケアのあり方を示す先進的な実践であると感じました。
今回の視察で得た知見を、兵庫県における介護予防、高齢者の外出支援、健康寿命の延伸につながる政策提案へと活かしてまいります。