オリンピック3大会出場の軌跡から学ぶ「挑戦する力」と兵庫のスポーツ政策

本日、兵庫県議会本会議終了後、兵庫県議会スポーツ振興議員連盟の研修会において、

神戸市出身でロンドン、リオデジャネイロ、東京の3大会連続でオリンピックに出場された

女子ウエイトリフティング元日本代表の八木かなえさんからご講演をいただきました。

テーマは

「オリンピック3大会出場の軌跡 ~競技スポーツ(ウエイトリフティング)からみえるスポーツ振興~」

オリンピックという世界最高峰の舞台に挑み続けた経験だけでなく、

現在取り組まれているスポーツ普及活動やアンチ・ドーピング活動、指導者として感じた課題、

女性アスリートを取り巻く環境など、多岐にわたる内容についてお話しいただきました。

講演の中で特に印象に残ったのは、若くして結果を残すことができた要因として、

「自分に合った競技との出会い」「家族の支え」「信頼できる指導者との出会い」

の3点を挙げられたことです。

八木さんはもともと器械体操に取り組まれていましたが、

自身の体格や特性がウエイトリフティングに適していることを見いだし競技転向。

そこからオリンピック3大会出場という輝かしい実績につながりました。

競技との出会いが人生を大きく変えることを実感するお話でした。

また、ご家族の支えについて語られた際には、「一人では夢や目標を達成することはできない」

と強調されました。

競技生活を陰で支えてくれた家族の存在があったからこそ、

世界への挑戦を続けることができたとのことでした。

さらに興味深かったのは、選手から指導者になって気付いた変化についてです。

八木さんが競技者として指導を受けていた時代は、いわば「昭和型」の指導。

しかし現在は、選手一人ひとりの目標や考え方を尊重し、対話を重ねながら成長を促す

「令和型」の指導へと変化しているとのことでした。

「全員が1位を目指しているわけではない」

この言葉も印象に残りました。競技を楽しみたい人、健康づくりを目的とする人、

全国大会を目指す人など、目標は人それぞれです。

その人の目標に寄り添いながら指導することの大切さは、スポーツだけでなく教育や人材育成、

さらには政治の世界にも通じる考え方だと感じました。

私自身、講演前は「オリンピック3大会連続出場のトップアスリート」と聞き、

力強く圧倒的な存在感を想像していました。

しかし実際にお会いした八木さんは、小柄で柔らかな雰囲気のとても親しみやすい方でした。

一方で、お話を伺う中で感じたのは、その穏やかな笑顔の奥にある「目標を掲げ、最後までやり抜く強さ」です。

ロンドン、リオデジャネイロ、東京と3大会連続でオリンピックの舞台に立つことは

決して簡単なことではありません。

競技人生の中では、けがや不調、期待やプレッシャーなど、さまざまな壁があったはずです。

それでも挑戦を続け、自らの限界に向き合い続けた姿勢に深く感銘を受けました。

華奢な体からは想像できないほどの精神力と継続する力こそが、

世界で戦い続ける原動力だったのだと思います。

まさに「かなえスマイル」の裏側には、多くの努力と挑戦の積み重ねがありました。

今回の講演を通じて改めて感じたのは、スポーツ政策は単に競技力向上だけを

目的とするものではないということです。

兵庫県では現在、子どもたちのスポーツ環境づくりや部活動の地域移行が進められています。

少子化が進む中で、これまで学校単位で成り立っていた競技環境をどのように維持し、

発展させていくのかは大きな課題です。

そのような中で重要なのは、「一人ひとりが自分に合ったスポーツと出会える環境づくり」ではないでしょうか。

八木さんも紹介された兵庫県の「HYOGO STAR PROJECT」は、子どもたちの運動能力や適性を測定し、

さまざまな競技との出会いを創出するスポーツタレント発掘事業です。

八木さん自身が体操からウエイトリフティングへ転向し才能を開花させた経験を伺い、

競技との出会いが人生を大きく変えることを改めて実感しました。

また、女性アスリートの活躍が広がる一方で、女性指導者の不足や、結婚・出産後も

競技や指導を継続できる環境整備は依然として大きな課題です。

スポーツ界における女性活躍の推進も、今後の兵庫県スポーツ政策の重要なテーマであると考えます。

さらに、ウエイトリフティングのような競技人口の少ない競技ほど、指導者や活動場所、

資金確保に苦労している現状があります。

発掘された才能が途中で競技を断念することがないよう、

地域で継続して競技に取り組める環境整備や指導者育成も必要です。

特に、川西市や猪名川町をはじめとする地域では、少子化の影響により部活動の維持が難しくなっています。

だからこそ、部活動の地域移行を単なる受け皿づくりで終わらせるのではなく、

子どもたちが多様なスポーツに挑戦できる機会の充実につなげていく視点が重要だと感じています。

私は県議会スポーツ振興議員連盟の一員として、トップアスリートの育成だけでなく、

「するスポーツ」「みるスポーツ」「支えるスポーツ」の推進に取り組むとともに、

子どもから高齢者まで誰もが生涯にわたってスポーツに親しめる環境づくりを進めていきたいと考えています。

スポーツには、健康づくりや体力向上だけでなく、人を育て、仲間をつくり、

地域を元気にし、人生を豊かにする力があります。

本日の講演は、オリンピアンとしての経験だけでなく、スポーツの持つ可能性と、

挑戦し続けることの大切さを学ぶ大変貴重な機会となりました。

今後の県政活動にも、その学びをしっかり生かしてまいります。