聴導犬は“カラフル” 多様な犬たちが支える安心と、学びの時間

先日、社会福祉法人日本聴導犬協会の有馬会長を講師にお迎えし、聴導犬について学ぶ機会に参加させて頂きました。

盲導犬のことはよく知られていても、聴導犬については「名前は聞いたことがあるけれど、どんな役割なのかは知らなかった」という声が多く、私自身も今回の学習会で新しい気づきをたくさんいただきました。

聴導犬は、耳の聞こえにくい方・聞こえない方の暮らしを支える大切なパートナーです。玄関チャイムや携帯電話の着信、火災警報器など、日常の「大事な音」を利用者に知らせてくれます。有馬会長からは、聴導犬が音を伝えるだけでなく、生活の安心や社会参加の広がりにつながることを丁寧に教えていただきました。
特に心に残ったのは、聴導犬の「5つの効用」です。

 

一つ目は、音を知らせてくれる安心。聞こえないことで生まれる不安をやわらげ、毎日の暮らしを安全に支えてくれます。

 

二つ目は、そばにいるだけで心が落ち着く安心感。外出時や静かな場所での「気づけないかもしれない」という心配が減り、気持ちがふっと軽くなります。

 

三つ目は、行動の幅が広がる前向きな力。聴導犬と一緒だと外出しやすくなり、地域活動や買い物など、社会とのつながりが自然に増えていきます。

 

四つ目は、周りの人とのコミュニケーションが生まれるきっかけ。聴導犬の存在が、聴覚障害への理解を広げる扉となり、やさしい交流が生まれます。

 

五つ目は、自分らしい生活を支えてくれる力。聴導犬は利用者の「自分らしく暮らしたい」という思いをそっと後押しし、生活の質を高めてくれます。

 

さらに、有馬会長のお話で印象的だったのは、聴導犬に向いているのは犬種ではなく“性格”だということでした。どんな場面でも平常心を保てる落ち着いた性格が大切で、過度に人なつこくて興奮しやすいタイプや、雷などの大きな音に敏感で怖がりすぎる子は向いていないそうです。決まった犬種はなく、保護犬でも聴導犬になれるというお話は、参加者の皆さんの心にも温かく響いていました。体の大きさよりも性格の安定が重視されるため、小型犬が向いている場合もあるとのことでした。
また、有馬会長からは「獣医さんからは、聴導犬はカラフルねと言われることがあるんですよ」というお話もありました。これは、聴導犬が特定の犬種に限られず、雑種や保護犬など、さまざまな犬が活躍しているためです。毛色も体格も本当に多様で、その“カラフルさ”こそ、聴導犬の魅力のひとつだと感じました。盲導犬のように同じ犬種が多い世界とはまた違い、聴導犬は一頭一頭が個性豊かで、利用者に寄り添う姿もそれぞれに味わいがあります。
当日のデモンストレーションでは、目覚まし時計の音を知らせる様子や、ドアノックを利用者に伝える一連の動作を実際に見ることができました。どの動作も落ち着いていて、日々の訓練の積み重ねと、犬と利用者の深い信頼関係が伝わってきました。会場には温かい空気が流れ、参加者の皆さんが真剣に見守る姿も印象的でした。
学習会を終えて帰宅すると、我が家の息子レオ(保護犬)がソファで気持ちよさそうに眠っていました。そっと手に持っていたのは、会場でいただいた聴導犬ストラップの“かるちゃん”。レオは寝ぼけた顔でゆっくりと起き上がり、かるちゃんを不思議そうに見つめていました。その姿がとても愛らしく、思わず笑顔になりました。聴導犬の性格の大切さや、保護犬でも活躍できるというお話を伺った直後だったので、レオとかるちゃんが並んでいる光景に癒やされました。犬が人の生活に寄り添う力は、特別な訓練を受けた聴導犬だけでなく、家庭で暮らす保護犬にも共通しているのだと、あらためて心が温かくなりました。

今回の学びを通じて、聴導犬は「特別な支援」ではなく、誰もが安心して暮らせる社会をつくるための大切な存在だと感じました。地域での理解が広がれば、聴導犬ユーザーの方々がより暮らしやすくなるはずです。これからも聴導犬の活動を応援し、その魅力と必要性を地域の皆さんに伝えていきたいと思います。