生活困窮者支援の現場から――現場の答えを「政策」へ。複雑化する生きづらさに寄り添う地域共生社会を目指して

9月6日、伊丹市で開催された「第7回生活困窮者自立支援研究大会」に参加いたしました。

私は、2015年の制度発足時より3年間、川西市生活困窮者主任相談支援員として、まさに最前線の現場で相談業務に奔走してきました。
制度の狭間で苦しみ、深刻な生きづらさを抱える方々を目の前にして痛感したのは、経済的困難だけでなく、介護、障がい、孤立といった「複雑・複合化する問題」の重みです。一人ひとりの背景が異なるからこそ、既存の枠組みや一律の支援では決して解決できません。

いかにその人の人生に寄り添い、オーダーメイドの支援を届けるか――日々悩み、格闘していた当時の記憶が鮮明によみがえります。
しかし、支援の現場は困難ばかりではありません。丁寧に寄り添い、小さな「できた」を積み重ねる中で、それまで支えられていた方が自信を取り戻し、今度は別の誰かを優しく「支える側」へと変化していく――そんな人の可能性と温かい循環も、私は現場で何度も目撃してきました。
今回の大会では、当時から意見交換を重ねてきた企業組合「伊丹市雇用福祉事業団」の高木哲次代表理事をはじめ、現場を熟知する多くの実践者とお会いすることができました。また、登壇者のお一人である一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワークの西岡正次理事は、私が豊中市役所に勤務していた時代の上司でもあり、久しぶりに旧知の語らいができたことも大変感慨深いひとときでした。
議論の中で特に深く共鳴したのは、五石敬路教授(大阪公立大学)が強調された「人を求人ニーズに近づける従来型の支援から、仕事を人に近づける支援へ――働ける『人』を増やすのではなく、働ける『仕事』を増やす」という視点です。
伊丹市で実践されている「伊丹モデル」のように、行政の業務を丁寧に切り出して安定的な働く場(中間的就労)を作り出し、さらに当事者同士が支え合うピアサポートの場を育むことこそ、これからの地域社会に必要なアプローチだと確信します。
支援員として現場の苦悩と希望を肌で知る者として、この実態をうやむやにしてはならないと改めて決意を新たにしました。

現場で掴んだ課題と声をしっかりと行政や議会へ届け、就労訓練事業の周知や業務切り出しの推進、そして誰もが自分らしく役割を持って生きられる「地域共生社会」の実現に向けて、全力で取り組んでまいります!