「特殊詐欺は“誰でもだまされる”。広がる被害と私たちが取るべき一歩」
特殊詐欺の被害が、今年も深刻な広がりを見せています。
今年1〜6月の被害額は約1816億円と、上半期として過去最悪。年間の被害額も2023年907億円、2024年1990億円、2025年3257億円と増え続けています。 手口では、SNSを通じた「投資詐欺」が43.9%と最多で、警察官を名乗る「ニセ警察詐欺」が28.0%、SNSでの「ロマンス詐欺」が13.6%と続きます。SNS広告やダイレクトメッセージが被害の入口になっている点が特徴です。
犯罪心理学の荒井崇史教授(東北大学大学院)によると、人がだまされる仕組みは「不安」と「欲」という二つの感情が刺激されることにあります。「自分は大丈夫」と思っている人ほど油断しやすく、犯人は考える時間を与えず、家族に相談させないよう「誰にも言わないで」と孤立させるのが常套手段です。
被害を防ぐ鍵は「距離を取る」こと。少しでも不審に感じたら、その場で判断せず電話を切る。家族や警察、消費生活センターなど第三者に相談する時間をつくることが、被害を防ぐ大きな分岐点になります。
実際の事例では、携帯会社を名乗る自動音声から始まり、偽の警察手帳をビデオ通話で見せられ信用してしまったケースや、著名人を名乗る広告から投資グループに誘導され、暗号資産に1000万円をつぎ込んでしまったケースが紹介されています。いずれも「警察」「著名人」「もうかっている」といった“信用できそうに見える演出”で近づいてくる点が共通しています。
私たちにできることは、
・不審な電話やメッセージにその場で答えを出さない
・警察相談専用電話「#9110」、消費者ホットライン「188」に迷わず相談する
・SNSの投資広告やDMを安易に信用しない ・高齢者など身近な方への声かけ
・見守りを続ける ことです。
「自分は関係ない」と思っている方ほど狙われやすいのが特殊詐欺です。皆さまと力を合わせ、被害の未然防止に取り組んでまいります。
◆兵庫県の特殊詐欺対策
兵庫県では、高齢者の被害防止を最優先に、自動録音装置の配付を強化しています。 令和8年度補正予算では、既存電話機に接続できる外付け自動録音装置を 8,000台追加配付予定。対象は県内在住の65歳以上の高齢者で、設置が難しい方には協力団体が訪問して支援します。 録音装置は、着信時の警告アナウンスと通話録音により、犯人側の心理的抑止につながる実効性の高い対策です。兵庫県はこうした取り組みを継続し、地域の安全確保を進めています。